卒園児からのメッセージ ~新しい小学校をつくりたい~(2025.03.12)

 先日、昨年度卒園したS君のお母さんから久しぶりに電話があった。
S君は富山市内の小学校の一年生。

富山銀行PRESENTS夢作文コンクールに応募したら入賞して、ラジオの生放送でその作文を朗読するから聴いて欲しいとのこと。

突然の知らせに驚いたと同時に保育園に連絡してくれたことが嬉しかった。
直接本人からではなかったものの、本人が保育園の先生に知らせたい!とのことだった。

 

3月1日土曜日、放送当日。どんな内容なんだろう…とワクワクしながらスマホとにらめっこ。
今どきはラジオではなくスマホで聴ける時代^^;
聞き覚えのある声。名前もしっかり言えている。少し緊張しているかな⁈
がんばれ!という思いで、私も緊張する。

 

題名「あたらしい小学校をつくりたい」

「ぼくは学校が嫌いだ!なくなってしまえばいいのにと思う」と第一声。
えっ⁈ 衝撃的な始まり。

以下、こんな文が続いた。
「嫌いな理由は苦しいことばかりだからだ…。やりたくないことがあり過ぎる…。」
「僕にはもっとやりたいことがたくさんある…。虫を捕まえて図鑑で調べたり、ドッチボールや工作も毎日やりたい。
・・・だから僕は、やりたいことがずっとできる新しい小学校をつくりたい」
   (中略)
「みんな、やりたいことややりたくないこと、すきなことや苦手なこと、人はそれぞれ違うらしい」
「だったら、時間割を自分で決めれるようにしたらいい」
「自分で時間割が決められると思ったらすごくワクワクする」
「自分で決めたことなら難しいことも一生懸命頑張れる」
「同じ時間割を決めた友だちとはもっと仲良くなれそうだ」
「お母さんに相談したら、今の制度を変えたいならまずは今の小学校でいっぱい勉強して!と言った。」
「結局、このまま小学校にいくしかないのか。僕はとても悔しい」
「でも、ぼくは絶対にあきらめたくない。」
「もっと楽しい小学校をつくるんだ」
「だからぼくは踏ん張って今日も小学校へ行く」
  ・・・おわり。

 

私は、聴き終わると涙があふれた。
私たちが西田地方保育園で育てたい子ども像がそこにあった。
西田地方保育園が保育目標に掲げる「やってみたいをカタチに。」を実践してきたからこそ生まれた想い。
今の窮屈な現実にも、自分なりに考えその解決策を模索しながら前にすすもうとするパワーは、今までの経験が後押ししているのではないかと思う。

 

後日、職員みんなでその録音を聴く機会をつくった。
聴き終わったあと、自然に拍手が沸き起こった。
自分たちの目指す方向を確かにし、目の前の子ども達の未来を想像させてくれたS君。
私たちのワクワクする気持ちが高まる瞬間。
S君の気持ちをあたらめて知ることで、子ども達一人一人に寄り添いしっかりと丁寧に向き合うことの大切さを改めて確認し合うことができた。ありがとう。

      S君頑張れ!  みんなで応援しているよ。

 

 

     そして、もうすぐ卒園式。  今年の年長児さんも旅立ちです。