自然と向き合うなかで…(2023.05.18)

 5月16日(火)年中・年長児の春の遠足。
西田地方保育園年中・年長児の春の遠足は、例年呉羽青少年自然の家にでかけます。

なぜって、自問自答してみると…

  1. 保育園の活動ならではの経験ができる…家族ではなかなか行かないところ
  2. 自然がいっぱい…春はタケノコがにょきにょきと。
  3. 自然のアスレチックが充実している…竹ジャングルやターザンロープ、いかだ遊び、ザリガニ釣り 等々
  4. 雨の日だって活動できる…館内利用と活動が可能、トイレも安心
  5. 保育園から近い…貸し切りバスで約20分
  6. 散策コースが整備されている

 考えてみると、いろいろあります。なにより、引率する保育者がこの場所がいい!「今年はどこにしよう…⁈なんで考えなくていいですよね」と。

 魅力的で安心・安全な場所と言えるのだと思います。
(以前私が経験してきた遠足は…なんていうと蛇足になるので、やめておきます。)

自然はいつも同じではないので、毎年違う姿で出迎えてくれます。

 子ども達はその姿にしっかり向き合い、自然との応答を楽しみます。その様子を一緒に感じ体験できる保育者の心も満たされるのです。

 今回、また新たなものを発見。何だろう?とワクワクする子どもと保育者。そして私。崖のように急な坂に設置されたロープをつたって上るとそこに広がる網のアスレチック。自然と人が作り出すものがうまくマッチし考えられた遊具でした。

「やってみたい!」気持ちを察してか、子ども達や保育者の様子を見て、指導員の方が使い方を教えてくださいました。

 保育者の援助のポイントと共に、使い方を間違えなければ全く危険ではないことやなぜこのロープを設置したかというねらいを知らせていただいたことで、私は、実体験から学んでいくことの必要性と環境に自らかかわろうとする力を育むことの大切さを実感しました。

  握力は衰えない力であり、身に付けた力はずっと継続していくのだと教わりました。だからこそ、子どもの時からの経験が大切なんだと。今は、蛇口に手をかざすだけで水が出たり、簡単にモノが開けられる道具があったりと便利な社会になっています。

 今、自ら環境にかかわっていこうとする手立てが子ども達の育ちを支え、日常の一つ一つの経験の積み重ねが、子ども達の心身の発達を促すことを改めて感じる場面でした。

 今回の指導員の先生(のちに呉羽青少年自然の家の所長先生と知る)の出会いと活動が、また新たな環境づくりへの活力となりました。

うさぎ組ロフト

 0.1歳の子どもたちは、足腰が発達してくると、

這う・立つ・歩く・登る・下るなどの全身を使った運動が活発になってきます。

行動範囲が広くなり、

「あっちに行ってみよう。」「あそこ登ってみよう。」と

行ったことのない場所へと冒険にでかけます。

そんな子どもたちの冒険も平坦な床だけではもったいない!

坂を登ったり、段差を登ったり…。登れない壁にぶち当たったり…。

冒険には、感動がたくさん無いと面白くない!

そこで、保育室の中にも高さがあり、斜面や段差、集中して遊び込める空間のあるロフトを考案しました。

0歳の子も挑戦できるスロープ!
ハイハイやずり這い、柵に掴まりながらでも登れるようにしました。
坂ならではの歩きにくさがとっても魅力的!
外を走る車だったり、窓から見える景色を楽しめるように設定。
窓から差し込む光の暖かさを感じられます。

押入れの上段とつながる3階ロフト。
高い所に楽しそう!登ってみたい!
でも、誰でも登れるような場所ではありません。
腕の力や足腰を一生懸命使わないと
登れない高さに事前に調べて設定しました。
大きくなったら登るんだ!
挑戦したくなる憧れの場所になるようにしました。
ロフトの下では、寝転んだりゆったりとしたり…。
絵本を見ることもあるでしょう。
子どもにとって天井が低く、
狭く囲まれた空間は落ち着ける居心地の良い場所になります。

テーブル

「なにか作りたいな…。」「おうちごっこしたいな。」

そう思うと子どもたちは、自然とテーブルの周りに集まってきます。

「誰かがテーブル使っているから今日はやめよ…。」

そうなってしまっては、せっかくの「遊びたい!」気持ちがもったいない。

子どもたちの「やってみたい!」「遊びたい!」の気持ちを叶えるには、

テーブルがもうちょっと欲しい。

天板の上に広げたい想像(思いを形にしたモノ)を

実現できる環境を整えたいと思います。

丸太の入れ替え

築山を登るための1つの手段として設けた丸太の階段。

大きな樹をただ寝かせただけの階段であるが、平坦では無いため、

登るときは指先に力が入ります。

登りにくい場合には、手指も使って登ります。

そんな丸太の階段も自然物であり、雨風にさらされ次第に朽ち果てていきます。

自然物は、同じ形を保つことが難しいこと、

姿かたちは月日とともに変わっていくことを身近に感じて欲しいと考えています。

バケツ・ふるいの棚

片付けが楽しい!と思える遊具棚。

パズルのピースをはめるように遊具がピタッとハマる感覚を目指して制作したいです。

片付けがしやすいと丁寧に片付けを行うことができ、

ものを大切にする気持ちにもつながると考えています。

また、遊びの中で、数を意識することもでき、

数の概念を理解することにもつながります。

スコップかけ

「使いたいな。」

と思った時にすぐに見つけることができると、

遊びたい気持ちが膨らみ、遊びが持続していきます。

片付けは、きれいに見えてスッキリすることだけが目的ではありません。

では、どんなふうに仕舞おうか。

『見つけやすく、取り出しやすく、片付けやすい。』

当たり前かもしれないけれど

片付ける場所や形には、

子どもたちがじっくりと遊び込むための大事なプロセスがあります。

屋台

 ダイナミックな遊びもいいけど、じっくりと遊べる空間が欲しい。

お店屋さんやおうちごっこが大好きな子どもたちの遊びがもっと広がってほしい。

ということで、既存の屋台と合わせてもう1つ。

以上児園庭に屋台を準備します。

囲まれた空間の中では、”自分たちの空間”として捉え、落ち着いてじっくりと遊ぶことができます。

たくさんのお皿やボール、カップを並べて、気分はお店屋さん。

いろいろなお店が展開され、夢中になって見立て遊びを楽しめるようになったらと思います。