手作りブランコからみえてきたこと(2024.10.07)
先日の園庭環境整備研修でブランコを作成。
当園職員が、他園見学を経て自園の園庭に設置できるように設計したものを職員の手でカタチにしました。
保育環境研究家のおおぞら教育研究所代表の木村先生から、子ども達の育ちを支えるより良い保育環境について学び、共に考えながら園庭整備を中心に取り組み始めて2年目。
今回の研修テーマは「ブランコ」
ブランコの必要性と存在意義を考える研修から制作するワークを行いました。
もともと既成のブランコが園庭の隅に設置されていましたが、いつの日にか支柱からブランコの座面(いす)を取り除いたままになっていました。
なぜ?って、保育者がブランコを危険だと感じていたから…。
ぶつかったら怪我をする・落ちたら危ない…。そんなハラハラする経験をしたことがあったから。
そんなブランコへの先入観からか、ブランコは園庭に不向き・集団のなかでそれを管理するのは難しい・保育者が張り付きにならないとできないなどと感じていた職員が私を含めて多かったことが要因だったと思います。
しかし…
環境について研修を受けたり実際に他園の様子をみたりして、ブランコってやっぱりおもしろい。
西田地方保育園にもブランコがあったらいいよね!と。
今、私たちのバイブルとなっている「ワクワクと安心の保育環境づくりへ」
この本を職員みんなで読み込み、ブランコは子どもの育ちを豊かにする環境の一部になるはず!と確信し制作することになりました。
ブランコの制作は一日がかり。そばには職員の作る姿を見守っていた子ども達がいました。
ゆる~い時間の流れのなかで、職員が入れ替わりながら子ども達の期待とワクワク感を背中で感じ進める作業もまた楽し。
私たちのワクワク感も高まります。
子ども達がブランコを試みることができたのは翌朝。
高いブランコに挑戦するもなかなか登れず苦戦しながら、身体全体を使ってどうにか登ろうと挑戦する意欲みなぎるまなざしにたくましさを感じました。
安心と安全が保障されこのブランコを見守る保育者はハラハラ感を感じず、子どもに交じって「自分も!」と一緒に楽しむ姿が印象的でした。
そして同時に作った小さいブランコでいろいろなドラマがうまれている時、保育者は…?
いつもは感じない保育者のかかわりが気になりました。
このブランコで遊ぶ子どもの姿を通して、保育者のかかわりや声かけ、子どもとの関係性を改めて考えるきっかけとしたいと考え、早速、職員間で動画をみながらデスカッションをすることに。
育って欲しい子ども像とは?
ブランコに乗っている子ども、交代して欲しいと思っている子のそれぞれの心情は?
保育者はその様子をどう見守るか?かかわるタイミングは?
そもそも必要な関わりとは?
異年齢とのかかわりから見えてくるものは? などなど。
いくつもの動画をみながら、学びの検証が盛り上がりました。それぞれの価値観や子ども理解、いままでの経験などをざっくばらんに。
意外にもこのディスカッションが楽しかった様子。
子ども達のことをこんな風に話すことがこんなにたのしくおもしろかったんだね!と。
クループごとの報告にも熱いものを感じました。
方法論ではなく、一人ひとりの子どもの気持ちに寄り添うとは…、子どもにとっての環境とは…と考えながら保育を楽しもう!そして一人ひとりの育ちを支えたい!その瞬間を大切に!保育って深~いということが結論。
研修での学びが目の前の子どもの姿と合わさったとき、保育の面白さと子どもとかかわれることの喜び、そして自分は保育者であることを感じることができるのだということを、職員からの姿から私自身が改めて実感できました。
環境整備も保育者としての質の向上にむけた取り組みにもゴールはありません。
私も園庭のブランコにゆられながら、子ども達とその生活を楽しむ仲間たちと一緒にいつもワクワクしていたいなぁと感じたのでした。