自然を感じて活動すること(2020.10.30)

10月になって、今年度初めての園外保育に出かけた3歳以上児クラス。A.Bクラスは立山青少年自然の家に、Cクラスは富山国際大学東黒牧キャンパスに行ってきました。

立山青少年自然の森は、通称トントンの森。キツツキのトントンが住む森と言われています。

Aクラスが行った日は、当日の朝まで雨が降り、ぬかるみもあり滑りやすくなっていました。

どの子も滑らないようにと慎重に歩きます。初めて入る森の中をどんどん進むワクワク感とちょっと不安なドキドキ感を抱きながら、ゴールを目指しました。

途中からは歩きながら、葉の匂いを感じたりかたちの違いに気付いたりする余裕もでてきました。

また、木枝をくぐればいいか、またいでいけばよいかなど、考えて乗り越える場面もたくさんあり、「これなら大丈夫」「そうやっていけばいいんだね」などと声を掛け合う姿がありました。

Bクラスは、天候も恵まれ秋晴れのもと、お弁当を持ってのお出かけに保育園からの大型バスからテンションマックス。

遠足気分でウキウキでした。

トントンの森は、Aクラスより少し短いコースでしたが、途中の分岐点で自分の決めた道を進むドキドキ感あるゲームを楽しんだBクラス。

「こっちにいったらどこにいくんだろ…」「絶対こっちが正解だよ!」なんていいながら、2方向に分かれていきました。

友だちがいるから大丈夫とどの子も思ったことでしょう。午後からの前沢谷歩きも、子ども達にとっては初体験のことばかり。

濡れてもいいんだよと話しても、なかなか抵抗があった子も、覚悟を決めておしりをボチャン!そこからは大胆にすすみます。

トントンの森と違って、ごろごろ石の沢は、歩きにくいうえに段差もたくさん。足を置いた場所がぐらつくことも…。

先頭と最後に時間差はできましたが、みんなゴール。

どの子も自分の力でやり切りました。

Cクラスの富山国際大学東黒牧キャンパスへの園外保育は、タイミングよく子ども達の行きたい気持ちが叶い、急遽実現しました。

大学の大型バスに迎えにきてもらって、念願のバスに乗ってのお出かけ。

柿とりをした後は、芝生で花摘みや虫探しにかけっこ…。

突然やってきたタイガーマスクにびっくりしましたが、すぐに仲良くなり、赤とんぼが飛ぶ中おやつを一緒に食べて記念撮影。最後はさるかに合戦ごっこをして、楽しみました。

帰りのバスは、「楽しかったねー」「今度、パパとママと一緒にくるね」などと口々に話しながら、終始賑やかでした。

自然の中に入ると、誰もが開放的になり気持ちが明るくなりますね。付き添いの保育士も子どもと同じ様に、子ども達とどんな楽しいことがあるだろうとワクワクしながら当日を迎えました。自然は毎日同じ場所に行っても決して毎日同じではありません。子ども達も実体験を通してそれらを身体で習得していきます。

現在の社会環境では、意識的に自然との触れ合いの機会を作っていかなくてはならないと思っています。

その中で子ども達に最も身近にある自然として、保育園園庭があります。そこでも子ども達が泥や水、草花、小動物など、自然と関わりながら自ら育つ環境があるべきだと感じ、必要な園庭環境を考えているところです。

今回の自然体験では、保育士は“~したら⁈”“~してね”などの指示は出さず、子ども自身が自分でその場でどうしたらよいかを考えられるよう、手は誰ともつながないように話しました。人それぞれ歩幅が違うし、手をつなぐと両手を使えなくなりかえって危ないのです。それゆえ、子ども達は自分の力で成し遂げた達成感と満足感が倍増したと実感しました。

私たちが目指す教育・保育の[環境]に関する内容の一つに、「自然に触れて生活し、その大きさ、美しさ、不思議さなどに気付く」ことを挙げています。それに必要なのは、子どもの行動を監視し命令する大人ではなく、自分と一緒になって自然の大きさ、美しさ、不思議さなどを発見する大人であるということをある本から学んだことがあります。保育士も環境の一つです。また[健康]の内容では、「体を動かす楽しさを味わいながら安全についての構えを身に付ける」とあります。いつも大人が“転ばぬ先の杖”を差し出すのではなく、自分で試しながら経験することが、生きる力につながっていくと考えます。加えて、自然の中では、友だちと一緒に物事をやり遂げようとする気持ちをもったり、気持ちを共感し合ったりすることも自主的・自発的に行われています。坂の上り下りが苦手な子どもも、森の中ではいくらでも創造して行動することができるのです。

今回も子ども達の“楽しかった!”という経験と積み重ねが、必ずより良い育ちにつながっていると信じています。

3歳未満児クラスは、そのための“ため込み”を保育園でたくさん経験してから、外に出ていくことになります。

今回の活動後はもちろん、日々の遊び後の着替え等での洗濯や始末等大変だろうと思いますが、ご理解とご協力を頂いていますことに感謝いたします。ありがとうございます。

今後も園庭でたくさん遊び、自然に触れる園外保育にも機会をつくって出かけていきたいと思います。

開園して半年…(2020.10.28)

令和2年4月1日、富山市立西田地方保育所が富山市から移管され、社会福祉法人富山国際学園福祉会が運営主体となった西田地方保育園が開園しました。

開園早々から新型コロナウイルス感染症拡大が懸念され、開園式も理事長先生のみの出席となり、入園式はやむなく中止なってしまいました。

コロナ禍の中、保育園での生活も安全・安心な環境と生活習慣の見直しと徹底を意識し、保護者の皆様のご協力を得ながら子ども達が元気に登園できていることは幸せなことです。

ありがとうございます。

そして、保育園のホームページも開設できました!

そらいろノートは、園長の想いやつぶやきを気まぐれにのせていきます。なので、時々覗いてみてくださいね。

 

西田地方保育園   園長 細川 優子