富山国際大学東黒牧キャンパスにある自然豊かな森
自生するエゴノキや、植栽によって生育する栗や未来に向けて研究されている“無花粉スギ”。
クワガタやセミといった虫たちと、10数種類の小動物たちが生息しています。
そんな素敵な東黒牧の森で、子どもたちは遊んでいます。
保育園と同系列の大学内の森ということで、安心安全の中、五感をフル稼働して森で遊ぶことができます。
2021年、森づくりプロジェクト始動。
学びの機会を増やしたい。
当園では、以前から外遊びを重視した教育、保育活動を実践してきました。外遊びの中にこそ様々な学びがあり、生活そのものが教育であるととらえています。
2021年、子どもの創造力、探索力、思考力など育ってほしい姿に向けた学びの機会を増やしたいという共通の思いのもと、「にながわ保育園」、「西田地方保育園」、「富山国際大学」が協力しあってスタートさせました。
森、子ども達へ。
つながりの森になるように。
私たちの思い。
子ども達の自然離れが課題となっている今、「子どもがだれと、どこで、何をするのかを自分で決めることができる環境」が森の中にはあると考えます。例えば、走る、草花を摘む、虫探しをする、木登りをするに加えて、風の匂い、音を感じるなどが挙げらますが、それ以上の気づきが期待されます。既存の遊具や園内では体験できない遊びがそこにはあります。自然の中で、五感を存分に使って「生きる力」を育みます。
子ども達と学生達が森を通じてつながりを持ちながら、お互いに育ち合える環境になるようにと考えています。子ども達は豊かな森の中で五感をフル稼働させながら、遊ぶことで様々なチカラを獲得し感性を育みます。一方学生は、年齢の低い子の活動をイメージしながら環境を整備したり、遊びを提案したり、森の不思議を解説したり。それぞれが自分の可能性を広げる場所であるようにと願っています。
子ども達が、今、持続可能な社会を創るためにできることはわずかかもしれません。しかし、自然を体験することで、環境教育の一端とすることができると考えます。すべての子ども達に、素晴らしい未来があるはずです。しかし、自然と仲良くできなければ、違った未来になってしまうかもしれません。人は、自然の一部であり、自然がないと成り立たないことをいずれ理解できるときのために、自然を通した教育・保育を実践したいと思います。
地域のつながりがますます希薄化していると言われている現在は、子ども達が自分の身の回りの人や物といった「環境」に関わる機会や数が減っているとも言い換えられるでしょう。そのような中で、森が重要な役割を果たすことを期待しています。子ども達は森の木や生き物に関わり、学生と関わり、大学の先生方と関わりながら、安心して自己発揮しながら育ってゆくと考えます。森、学生、大学は、子ども達にとって身近で、大切な地域資源の1つとなるようにと考えています。
森の中で、大好きな家族の方と過ごす時間は、子ども達にとってとても嬉しい時間であり、新しい発見や探究心の芽生えのきっかけになるでしょう。また、森の中で過ごした時間や感じたことは、ご家庭に帰ってからも共有の話題となって様々な形で暮らしの中に豊かさをもたらし、彩りを添えてくれるはずです。森の中では、必ずしも大人が教えることばかりではなりません。子ども達の柔らかな発想や豊かで澄み渡った感性からは、大人達が教えられることも多いはずです。森を通じて、家族が自然との関係を深めて行くことを願っています。
つながりの森づくり
森と子ども達と学生と。
6月の土曜日。
子ども達が自然を感じながら遊べるように、西田地方保育園の職員と一緒に、下草刈り、枝払いなど環境整備を始めました。
それから、定期的に下草刈りを続けてきました。
8月の終わりには、富山国際大学現代社会学部の現役の学生さんや、国際大学体育会ボート部、野球部の学生の皆さんも重い資材運びなどで協力してくれました。
その後も、森づくりは続いています。
9月の終わりには、森の中に高台(ウッドデッキ)が完成しました。 この高台も西田地方保育園の職員はじめ、東黒牧キャンパス現役の学生さんたち、環境サークルの学生さんたち、そして大学の先生方の協力で完成しました!
保育園の職員のみならず、たくさんの人たちの協力で森づくりが進んでいます。
森づくり、森の活動は、まだまだ始まったばかりです。
これから、たくさんのつながりを大切に活動して行きたいと思っています。